ペナルティ分析

ペナルティ分析とは
ペナルティ分析は,消費者または専門家に実施された調査に基づいて,製品の潜在的な改良の方向性を識別するための官能データ分析で使用される手法である.
2種類のデータが使用される:
- 選好データ 製品の全体的な満足度指標に対応する選好データ(または嗜好スコア,たとえば,チョコレート・バーについての10ポイント・スケールでの嗜好スコア),または製品の特性(たとえば,1 から10で評価された自動車の快適さ).
- JAR (Just About Right) の5 ポイント・スケールで収集されたデータ.これらは,目的の製品の1つまたは複数の特性について,1 から 5(1 から 7または1から9)の範囲でのランキングする.5 ポイント JARスーケルの場合, 1 は « まったく足りない»,2 は« 足りない»,3 は« JAR » (Just About Right:ちょうどよい),消費者にとって理想で,4 は« 過ぎる » and 5 to « かなり過ぎる »である.たとえば,チョコレート・バーでは苦味を評価できるし,自動車の快適さではエンジン音の大きさを評価できる.
ANOVAで使用されているような多重比較に基づくこの手法の本質は,JAR スケールで調査された各特性について,JAR スケールでのランキングが嗜好スコアでの異なる結果に有意に関係するかどうかの識別することにある.
たとえば,チョコレートが苦すぎるなら,嗜好スコアに有意に影響するかどうか?である.
ペナルティという言葉は,任意の製品についての消費者の満足度にペナルティをかけることができる特性を探いているということに由来する.ペナルティは,JAR カテゴリでの嗜好スコアの平均と,他のカテゴリでのスコアの平均の間の差である.
ペナルティ分析の原理
ペナルティ分析は3つのフェーズに分けられる:
- JARスケールのデータが集計される:たとえば, 5 ポイント JARスーケルの場合,一方でカテゴリ 1 と 2 がグループ化され,もう一方でカテゴリ 4 と 5 がグループ化される.これで3ポイント・スケールとなる.“足りない”,“JAR”,“すぎる”の3水準となる.
- そして,有意な差を識別するために,3つのカテゴリで嗜好スコアの平均を計算して比較する. 2 つのnon-JAR カテゴリと JARカテゴリ の平均の間の差は,平均降下(mean drops)と呼ばれる.
- 有意度が 0と異なれば,ペナルティを計算して検定を行なう.
XLSTATでのペナルティ分析の結果
基本の統計および嗜好スコアとJARデータの相関行列の表示の後,XLSTATは各JAR 次元での5水準(選択されたスケールによって7または9水準)の度数を示す表を表示する.対応する積み重ね棒グラフが表示される.そして,3つの水準に縮退されたデータの表が表示され,対応する相対度数と積み重ね棒グラフが続く.ペナルティ表は,平均,平均降下,ペナルティ,および多重比較検定の結果を含む3 ポイント・スケールの JARデータについての統計量 を可視化でる.
最後に,要約チャートが,JAR カテゴリと 2つの non-JAR カテゴリの(“足りない”,“過ぎる”)の間の差が,どのJAR次元で有意に異なるかを素早く識別することを可能にする: 差が有意であるとき,棒グラフは赤色で表示され,差が有意でないときは緑色で表示される. グループのサイズが選択しきい値より低いときは,棒グラフが灰色で表示される(ダイアログ・ボックスのオプション・タブを参照).
平均降下 vs % チャートは,テスターの母集団の対応する%の関数として,平均降下を表示する.結果が有意であるとみなされる母集団のしきい値 % が,点線で表示される.
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