時系列のスムージング

XLSTAT-Forecast ソフトウェアには,複数のスムージング手法がある.下記にそれを記す.

単純指数平滑法

このモデルは,Brownの単純指数平滑法(Simple Exponential Smoothing),または指数加重移動平均モデルと呼ばれる.指数平滑法は,単純に過去のオブザベーションを考慮に入れて,値をモデルする必要のある場合に役立つ.これは過去のオブザベーションの重みが指数的に減少するので,名前に"指数"がついている.この手法は,n+1より後の予測値が一定となるので,予測の観点ではあまり十分ではない.

二重指数平滑法

この手法は,Brownの線形指数平滑法またはBrownの二重指数平滑法と呼ばれる.これは,時間で変化するトレンドを考慮に入れることができる.予測値は,直近に観察されたデータについてのトレンドを考慮に入れる.

Holtの線形指数平滑法

このモデルは,Holt-Winters非季節性アルゴリズムと呼ばれる.これは,不変成分と時間で変化する傾向を考慮に入れることができる.このモデルは,二重指数平滑法と比較して,それ自身でデータに素早く適応する.2番目のパラメータが関与する. t>nでの予測値は, 不変成分とトレンド成分を考慮に入れる.

Holt-Winters 季節性加法モデル

このモデルは,時間で変化するトレンドと周期pを持つ季節性成分を考慮に入れることができる.予測値は,トレンドと季節性を考慮に入れる.このモデルは,季節性効果が安定で時間で増大しないので加法性と呼ばれる.

Holt-Winters 季節性乗法モデル

このモデルは,時間で変化するトレンドと周期p を持つ季節性成分を考慮に入れることができる.予測値は,トレンドと季節性を考慮に入れる.このモデルは,季節性効果が時間で変化するので乗法と呼ばれる.オブザベーション間の相違が高いほど,季節性成分がより増大する.

注意1:  上記のすべてのモデルについて,XLSTATは平均2乗誤差(MSE)を最小化するパラメータの値を推定する.ただし, Holt-Winters乗法モデルとは別に,尤度を最大化することも可能で,これらのモデルをARIMAモデルとして書くことが可能である.たとえば,単純指数平滑法はARIMA(0,1,1) モデルに相当し,Holt-Winters加法モデルはARIMA (0,1,p+1)(0,1,0) pに相当する.尤度の最大化を望むなら,XLSTATのARIMA手順を使用することを薦める.

Note 2:  上記のすべてのモデルについて,S,T および Dの初期値が必要である.XLSTAT は,これらの値を設定するためのバックキャスティングを含む複数のオプションを提供する.バックキャスティングが選択されると,アルゴリズムは系列を反転させて,Y(x) オプションに対応する単純な初期値から開始し,推定値を計算し,そして,これらの推定値を初期値としえ使用する.各手法のさまざまなオプションに対応する値を下記に説明する.

移動平均

このモデルは,過去を考慮に入れて,オプションとして将来のオブザベーションの値を予測するための単純な方法である.これは,ノイズを除去できるフィルタとして動作する.上記に定義された平滑法ではmオブザベーションは将来のすべての予測値(指数が減衰しても)に影響するが,移動平均の場合,記憶がq 個に制限されている. 定数 l が0に設定されると,予測値は過去のq 個の値と現在の値に基づき, l が1に設定されると,次の q 個の値にも基づく.移動平均は,しばしばフィルタとしても使用され,正確な予測の方法ではない.

フーリエ平滑法

フーリエ平滑法のコンセプトは,時系列をそのフーリエ座標に変換し,高い周波数の部分を除去してから座標を信号の座標に戻す.この新しい信号は,平滑化された系列である.