冗長性分析 (RDA)

冗長性分析とは
冗長性分析(RDA: Redundancy Analysis)は,正準相関分析 (CCorA)の代替として, Van den Wollenberg (1977) によって開発された.
.冗長性分析は,変数Y と Xの2つの表の間の関係性を調査することを可能にする. CCorA は対称手法であるが, RDA は非対称である.CCorAでは,両方の表から抽出される成分は,それらの相関が最大化されるようになっている.RDAでは, X から抽出される成分は, Yの変数にできるかぎり相関するようになっている.そして, Y の成分が, Xから抽出された成分にできるかぎり相関するようにして抽出される.
冗長性分析の原理
Y をn 個のオブザベーションとp個の変数を持つ応答変数の表とする.この表は,オブザベーションと変数の2次元または3次元の 同時マップを得るために,主成分分析( PCA)を用いて分析できる.
X をq 個の量的変数や質的変数での同じn 個のオブザベーションについて記録された測定値を格納する表とする.
冗長性分析は,共分散基準に最適な,オブザベーション, Y 変数,および X 変数の2次元または3次元の同時表現を得ることを可能にする (Ter Braak 1986).
冗長性分析は,2つのパートに分けることができる:
- 次元の数がmin(n-1,p, q)に等しい空間に制約された分析.このパートは,2つの表の間の関係の分析に対応するので,主な目的の1つである.
- 残差の分析に対応する非制約部分.制約なしRDA の次元の数は,min(n-1, p)に等しい.
準備ステップを追加した偏RDAを使用することもできる. Xの表が,2つのグループに細分される.1番目のグループ X(1) は,既知であるか,または調査の目的ではないという理由で効果を除去したい条件づけ変数を格納する. Y と X(2) の表で回帰が実行され,回帰の残差が, RDA ステップで使用される.偏 RDA は,1番目のグループの効果が除去された後に,v変数のグループの効果を分析することを可能にする.
冗長性分析でバイプロット・スケーリング
XLSTAT は3種類のスケーリングを提供する.スケーリングのタイプは, 応答変数とオブザベーションの得点が計算される方法を変え,結局,プロット上のそれぞれの位置を変える.
XLSTATでの冗長性分析の結果
並べ替え検定がリクエストされた場合,表間の関係性が有意であるか否かを確認できるように,その結果が最初に表示される.
固有値とイナーシャのパーセンテージ: これらの表では,制約つきRDA および制約なしRDA での固有値,対応するイナーシャ,および対応するパーセンテージが,制約つきイナーシャ(または制約なしイナーシャ)に関して,または合計イナーシャに関して表示される.
オブザベーション,応答変数おとび説明変数の得点が表示される.これらの座標が,プロットを作成するために使用される.グラフは,オブザベーション,応答変数,および説明変数の間の関係性を可視化することを可能にする.質的変数が含まれる場合,対応するカテゴリがくり抜きの赤い円で表示される.