2標本の T検定およびZ検定
2つの標本のt検定とz検定は、2つの独立した標本または対応のある標本を比較するために使用されるパラメトリック検定です。 XLSTATソフトウェアを使用してExcelでそれらを実行します。

Excelでの2標本t検定およびz検定
2標本t検定およびz検定は統計解析において人気のあるパラメトリック検定である.これらの手法は,推測統計学で広く用いられており,帰無仮説と呼ばれる一般的な仮説を検定することができる.
XLSTATは,完全で柔軟な2標本t検定およびz検定機能を提供しており,データに関する深い洞察を可能にする複数の標準機能および高度なオプションを提案している:
- 独立または対応のある標本で2標本検定を実行
- 3種類の対立仮説から選択
- p値の計算にモンテ・カルロ法または漸近的p値法を選択
- 等分散性の検定にF検定を使用し,t検定とz検定のいずれかを選択するkとを支援
- 標本の視覚的な比較ができるドミナンス・ダイアグラムを表示
2標本t検定およびz検定とは何か?
パラメトリック t 検定および z 検定は,2つの標本の平均を比較するために使用される.これらの2つの検定は,2つのグループ(標本)の平均が等しいという帰無仮説を検定するために使用される.計算方法は,標本の性質によって異なる.区別は,独立した標本か,または対応のある標本かでなされる. t 検定と z 検定は,標本が正規分布しているという仮定がなされるので,パラメトリックとして知られている.
2つの独立標本の平均の比較
平均 µ1 と分散 s1² の n1 個のオブザベーションからなる標本S1をとる.平均µ2と分散s2². の n2 個のオブザベーションからなるS1とは独立な2番目の標本S2をとる.D を平均間の仮定される差とする(等質性が仮定される場合,D は 0 となる).
1つの標本での z 検定およびt 検定と同様:
- Studentの t 検定は,標本が抽出された母集団の真の分散が未知のときに用いる;
- z 定は,母集団の分散 s² が既知のいるときに用いる.
Studentのt検定
Studentのt検定の使用は,標本の分散が等しいとみなせるか否かの決定を事前に必要とする.XLSTATは,グループ(標本)の分散の等質性の仮説を検定するため,および後の計算で検定の結果を使用するために,FisherのF検定を使用するオプションを提供する.2つの標本が同じ分散を持つと考える場合,共通の分散が次式で推定される:
s² = [(n1-1)s1² + (n2-1)s2²] / (n1 + n2 - 2)
ここでs1 は1番目の標本(グループ)の標準偏差で,s2は2番目の標本の標準偏差である.
したがって,検定統計量は次式で与えられる:
t = (µ1 - µ2 -D) / (s √1/n1 + 1/n2)
t統計量は,自由度n1+n2-2を持つStudent分布に従う.
分散が異なると考えられる場合,統計量は次式で与えられる:
t = (µ1 - µ2 -D) / (√s1²/n1 + s2²/n2)
z-Test
z-検定では,母集団の分散 s² が既知であることを仮定する.ユーザーは,その値,またはデータからの推定量(これは教育目的でのみ提供されている)を入力できる.検定統計量は,次式で与えられる:
z = (µ1 - µ2 -D) / (σ √1/n1 + 1/n2)
z統計量は,正規分布に従う
対応のある2標本の平均の比較
2つの標本に対応がある場合,それらは同じサイズでなければならない.あるオブザベーションで値が欠損している場合,そのオブザベーションが両方の標本から除去されるか,欠損値が推定される.
n個のオブザベーションでの計算された差の平均を調査する.dが差の平均,s²が差の分散,Dが想定される差であるとすると, t検定の統計量は次式で与えられる:
T= (d-D) ⁄ (s/√n)
t統計量は,自由度n-1 を持つStudent 分布に従う.
z 検定での統計量は,以下のとおりで,ここでσ²は分散である.
z= (d-D) ⁄ (σ/√n)
z統計量は,正規分布に従う.
対立仮説
帰無仮説,したがって選ばれる対立仮説によって3種類の検定が可能である:
- 両側検定,
- 左側検定,
- 右側検定.
XLSTATソフトウェアを用いて2標本のt検定およびz検定を実行する方法に関するチュートリアル
こちらが2標本のt検定およびz検定機能の使用法に関するチュートリアルである: