時系列の均質性検定

時系列の均質性検定

均質性検定は,任意の系列が時間の上で均質とみなされるか,変化が起きている時間が存在するか,を決定することを可能にする.

均質性検定は多数の検定に関与しており,XLSTATは, ある時系列がある2つの時間の間で均質であるという帰無仮説について,4つの検定(Pettitt, Buishand, SNHT, von Neumann)を提供する.

検定の多様性は,たくさんの対立仮説が可能であるという事実に起因する:分布での変化,平均(1つまたは複数の時間)での変化,または傾向の存在.

均質性検定の p-値近似

このツールで提供される検定は,単一シフトの対立仮説に対応する.すべての検定で,XLSTATは,モンテ・カルロ再標本化を用いてp-値を提供する.正確な計算は,不可能であるか,計算時間でコスト高すぎるかである.

注意 1: シフトが起きる時間のはっきりとした知見がある場合は,パラメトリックまたはノンパラメトリック検定のセクションで利用可能な検定を使用できる.たとえば,変数が正規分布に従うと仮定して,時間tでの変化の存在を検定するために,z検定(既知の分散)または Student のt 検定(推定された分散)を使用できる.分散が変化していることを確信する場合,分散の比較検定(たとえば,正規のケースではF-検定,またはより一般的なケースでは, Kolmogorov-Smirnov)が使用できる.

注意 2: 下記に提示されている検定は,傾向(たとえば,線形の傾向)に敏感である.これらの検定を適用する前に,2つの均質な系列間でシフトがある時間を識別したいことを確かめる必要がある.

Pettittの検定

Pettittの検定は,データの分布に関する仮定を必要としないノンパラメトリック検定である. Pettittの検定は,シフトが起きる時間を識別できるタンクベースMann-Whitney 検定の適応である.1979 年の彼の論文で,Pettitt は,帰無仮説をT 個の変数が同じ分布 Fに従うとして,および対立仮説をある時間分布の変化があるとして説明している.それにもかかわらず,Pettittの検定は,場所の変化がない場合,分布での変化を検出しない.たとえば,時間tの前に,変数が正規分布 N(0,1) に従い,時間  から N (0,3) 分布に従う場合,Pettittの検定は,Mann-Whitney が,そのような場合に位置の変化を検出しないであろうことと同様に,変化を検出しない.この場合,Kolmogorov Smirnov ベースの検定,または場所よりも他の特性での変化を検出できる他の手法を用いるべきである.したがって,我々は,帰無仮説おと対立仮説を変形する:

H0: T 個の変数が,同じ場所パラメータを持つ1つまたは複数の分布に従う.

両側検定: Ha: 変数が場所パラメータを変化させる時間 t が存在する.

左側検定: Ha: 変数の場所がD減少する時間t が存在する.

右側検定: Ha: 変数の場所がD増大する時間 t が存在する.

AlexanderssonのSNHT 検定

SNHT 検定(標準正規均質性検定:Standard Normal Homogeneity Test)は,降雨データの系列での変化を検出するために,Alexandersson (1986) によって開発された.この検定は,測定ステーションのオブザベーションを複数のステーションの平均と比較した比率の系列に適用される.そして,この比率は,標準化される.ここで,Xi の系列は,標準化された比率に一致する.帰無仮説と対立仮説は,次のように決定される:

H0: TT 個の変数 Xi はN(0,1) 分布に従う.

Ha: 時間 1 と n の間では変数はN(µ1, 1) 分布に従い,n+1 と T の間では N(µ2,1) 分布に従う.

Buishandの検定

Buishandの検定 (1982) は,どのようなタイプの分布に従う変数にでも使用できる.ただし,とくに正規の場合について,その特性が研究された.彼の論文で,Buishandは,両側検定の場合に焦点をあてているが,以下に示される Q 統計量では,片側検定も可能である.Buishand は,両側の仮説のみが可能な2つめの統計量 Rを開発した.

Q 統計量の場合,帰無仮説と対立仮説は次のように与えられる:

H0: TT個の変数が同じ平均を持つ1つまたは複数の分布に従う..

両側検定: Ha: 変数の平均が変わる時間t が存在する.

左側検定: Ha: 変数の平均がD減少する時間t が存在する.

右側検定: Ha: 変数の平均がD増大する時間t が存在する.

von Neumann(フォン・ノイマン)の比率検定

Neumann 比率検定は常に強力であるが,変化の時間を検出することはできない.